6人のオーストリアワイン大使による「江戸前鮓とオーストリアワイン」の夕べを開催しました

先週月曜日(10/24)の夜に
6人のオーストリアワイン大使による『江戸前鮓とオーストリアワイン』の夕べ
を行いました。

6人のワイン大使ワインの夕べポスター

北から南まで日本各地で活躍するオーストリアワイン
マーケティング協会(AWMB)公認のオーストリアワイン大使が
活躍しておりますが、今回は翌日(10月25日)に控えた
「第3回 オーストリアワイン大試飲会」の前夜祭として、
北は盛岡、南は和歌山からオーストリアワイン大使6名が、
当店 銀座壮石に集結し、江戸前鮓とオーストリアワインの
ベストマッチングを考えてご提案する会を開催しました。

今回は下記のオーストリアワイン大使の面々に集結して頂きました。

 ・上野 久美 (ワインキュレーション(株))
 ・岩井 穂純 (AdWein Austria)
 ・西田 武史 (リゾートトラスト(株)エクシブ白浜&アネックス)
 ・別府 岳則 (カーヴ・ド・リラックス)
 ・松田  宰 (ワインバー アッカトーネ)
 ・岡田 壮右 (銀座 壮石)


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開始前の6人(左から、松田大使、別府大使、岡田、上野大使、西田大使、岩井大使)

伝統の手仕事により旨味を引き出す江戸前鮓、その味わいを
より引立て、さらに広がらせる相乗効果を持つオーストリア
ワイン。今回はそんな素敵なマリアージュ体験を上記6名の
大使が各々考え抜いて披露いたしました。

今回は大使同士の対戦という我々も緊張する第一部と、
各人が考え抜いたマリアージュを一人づつ披露する第二部
の二部構成として進めさせていただきました。


◆ 第一部 ◆
「伝統的江戸前鮓とオーストリアワインのマリアージュ競演」


似通った種類のネタ3種の3貫を一皿とした江戸前鮓を
3皿ご用意し、大使2名が一皿に対してもっとも合うと
思うワインをお出しして、そのマリアージュの良さを
お客様に判定して頂くという対決を行いました。


一、白身 【上野大使 vs. 岩井大使】
  ・平鱸 塩・酢橘
  ・平目 おろしぽん酢
  ・カマス 焼き霜

二、光物 【西田大使 vs. 別府大使】
  ・こはだ 醤油
  ・細魚 昆布〆・柚子
  ・しめ鯖 醤油

三、赤身・蟹 【松田大使 vs. 岡田】
  ・本鮪 赤身
  ・戻り鰹 生姜・薬味葱
  ・ずわい蟹


◆ 第二部 ◆
「大使が織りなす一品一様の江戸前鮓マリアージュ」


6名の大使がそれぞれの考えで季節のネタを用いながらも
伝統にこだわらない手仕事や味付けを施した特別な一貫に
対して、最も合うワインをご提案します。


一、北海生蛸 塩・酢橘 【岡田】

二、活け車海老 塩・穂紫蘇 【西田大使】

三、金目鯛炙り 塩・酢橘 【上野大使】

四、帆立貝 鮑肝塩辛 【別府大使】

五、本鮪 中トロ 醤油 【松田大使】

六、煮穴子 煮ツメ 【岩井大使】



第一部がスタートする前に、前菜としてお出しした秋鮭生筋子の
特製だし醤油漬けに合わせて、オーストリアワイン大使で花巻で
ワイン造りをされている高橋葡萄園の高橋大使が造られている
キャンベルロゼのワインで皆様で乾杯をさせて頂きました。

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高橋葡萄園 キャンベルロゼを解説する松田大使


高橋大使はぶどうと共に作っているお米を特別に送って頂き、
今回の対決のシャリとして使わせて頂きました。


第一部のワインは下記となりました。

一、白身(平鱸 塩・酢橘/平目 おろしぽん酢/カマス 焼き霜)
 ・上野大使:Mehofer Alter Weingarten Gemischter Satz 2014
 ・岩井大使:Sepp Muster Opok 2013

二、光物(こはだ 醤油/細魚 昆布〆・柚子/しめ鯖 醤油)
 ・西田大使:Groszer Wein Gemischter Satz Weiss 2015
 ・別府大使:Nikolaihof Im Weingebirge Grüner Veltliner Federspiel 2014

三、赤身・蟹(本鮪 赤身/戻り鰹 生姜・薬味葱/ずわい蟹)
 ・松田大使:Wachter Wiesler Bela-Joska Blaufränkisch Eisenberg 2012
 ・岡田  :Karl Schnabel Blaufränkisch Hochegg 2011


最初の上野大使と岩井大使の対決はそれぞれの考え方が表れる
面白いご提案となりました。上野大使のワインはヴァーグラム
というレスを中心とする土壌のゲミシュターサッツ(混植混醸
ワイン)。一方の岩井大使はオーストリアの南側に位置する
シュタイヤーマルク特有の土壌であるオポックという土壌で
作られた4種類の品種が使われたものでした。どちらもぶどうが
ブレンドされたワインで、土壌の違いと栽培地域の違いが風味
に反映されたワインでした。

上野大使のワインは酸味、果実味のバランスがよく、優しく
白身の旨味を包み込んで引き立てるという方向、一方の岩井
大使のワインは比較的高めの酸味とミネラルを感じ、白身
の淡白な味わいと合わせたいという考えがわかる相性と感じ
ました。

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白身3種(左から、平鱸、かます、平目)

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解説する上野大使

お客様のご判定では上野大使のマリアージュに軍配が上がりました。


二つ目の対戦である光物も個性あふれる相性となりました。
西田大使のワインはブルゲンラント州のアイゼンベルグ(鉄の山)
と言われる場所で作られているゲミシュターサッツ(混植混醸
ワイン)。別府大使は白ワインの銘醸地ヴァッハウを代表する
造り手のグリューナー・ヴェルトリーナーのワインを出されました。

西田大使の選択したゲミシュターサッツは5種類の品種が混ざって
おり、品種の個性より栽培地の気候や土壌が表現されやすく、
酸味、ミネラル、風味のバランスの良いワインです。別府大使の
ニコライホーフは3日前に抜栓して空気と触れさせていたことで
味わいに複雑さとうま味が増進されていました。両大使共に想像
されたのは、こはだ、しめ鯖に感じる酢とうま味、さらに、さより
の昆布のうま味をワインを合せることでよりうま味を膨らませ、
かつ余韻に長く感じさせようという点だったかと思います。

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光物3種(こはだ、細魚、しめ鯖)

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お客様と楽しむ西田大使

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相性を確認する別府大使

両大使の素晴らしい提案に甲乙つけ難く、お客様の軍配は
引き分けとなりました。


第一部の最後の対戦となった赤身と蟹では同じぶどう品種での
対戦となりました。松田大使のワインは西田大使のワインと同じ
産地であるブルゲンラント州のアイゼンベルグで作られた
ブラウフレンキッシュ。一方、私岡田のワインは、同じ品種の
ブラウフレンキッシュですが、岩井大使のワインと同じ
シュタイヤーマルクで作られたワインです。この対戦も生産地
の気候と土壌の違いによる味わいの方向性の違いがくっきりと
出ました。

松田大使のアイゼンシュタットのワインは鉄分の多い土壌らしく
ワインの風味に鉄っぽさが感じられ、これを鮪の赤身や戻り鰹
が持つ鉄分と寄り添わせたとのこと。私のブラウフレンキッシュ
はオーストリアでは比較的雨量も多いシュタイヤーマルクが生み
出す柔らかい果実味とシリカと石灰が混じった土壌によるミネ
ラル感で優しく寄り添わせる考え方でした。

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赤身と蟹(左から、ずわい蟹、戻り鰹、本鮪赤身)

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土壌を説明する松田大使

ご判定頂いたところでは、私のマリアージュを好まれたお客様が
若干多かったという結果になりました。



続いて、第二部のワインは下記となりました。

一、北海生蛸 塩・酢橘
 ・岡田:Thomas Hareter Sauvignon blanc 2013

二、活け車海老 塩・穂紫蘇
 ・西田大使:DÜRNBERG Blanc de Noir Zweigelt Select 2014

三、金目鯛炙り 塩・酢橘
 ・上野大使:Johanneshof Reinisch Gumpoldskirchner Tradition 2014

四、帆立貝 鮑肝塩辛
 ・別府大使:Heidi Schröck Weißburgunder 2013

五、本鮪 中トロ 醤油
 ・松田大使:Skoff Original Royal Sauvignon Blanc 2012

六、煮穴子 煮ツメ
 ・岩井大使:Thomas Lehner Zweigelt Neusiedlersee 2014

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北海生蛸

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活け車海老

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金目鯛炙り

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帆立貝 鮑肝塩辛

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本鮪 中トロ

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煮穴子 煮ツメ

第二部のご判定は相性が合っていてよかったと思った場合には
拍手を頂くという形式で進めさせていただきました。
幸いなことにどの組合わせにもお客様から大きな拍手を頂く
ことができました。お客様と一緒に味あわせて頂いた私の感想
としても、各大使が非常に考えられて、また、どのように合わ
せるかというコンセプトがよく見えるペアリングでした。

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解説する岩井大使

中でも、お客様から高い支持を受けたのは、上野大使の
脂の乗った金目鯛を軽く炙って塩と酢橘を少量加えたものに、
生産地テルメンレギオンで伝統的に作られるロートギプフラー
とツィアファンドラーという地場品種をブレンドした
グンポルツキルフナーを合せた提案です。金目鯛の甘さのある
脂と繊細なうま味をグンポルツの豊かな香りと高い酸味と
うま味が非常に綺麗にマッチしていました。

また、お客様からも高い評価と個人的にも目から鱗だったのは
松田大使の本鮪中トロに樽熟成させたソーヴィニヨン・ブラン
という組み合わせでした。シュタイヤーマルク地方で作られる
ソーヴィニヨン・ブランの多くはオークの新樽を使わないもの
が多いのですが、このワインは新樽のオーク小樽で14ヶ月熟成
させたというもので、風味にも樽由来の栗やナッツ、カラメル
のような感じがあります。本鮪の中トロにある繊細な脂の甘み
と樽によって風味の豊かさがボリュームアップしたワインが
非常に良く合いました。また、シュタイヤーマルクのソーヴィ
ニヨンらしい高い酸味も相性の良さを補完していたように思い
ます。

各大使の創造性あふれる江戸前鮓とのマリアージュどれを取って
みても学ぶことの多い、まさに目から鱗の提案を見せて頂きました。

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お出ししたすべてのワイン


何よりも提案した大使6人がもっとも楽しませて頂いた一夜と
なりました。

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オーストリアワイン大使6人?、8人に増えています。


今後も江戸前鮓とオーストリアワインのマリアージュの素晴らしい
可能性と美味しさ、そして楽しさを皆様に知って頂けるよう、
このような試みを続けて参りたいと思います。


鮓&ワインおーじ
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テーマ : ワイン - ジャンル : グルメ

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