齋彌酒造店を見学して

先日機会を得て、秋田県由利本荘市にある「齋彌酒造店」を見学しました。

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こちらのお酒に惚れ込み、当店では開店当初から「本荘」という純米吟醸
を入れているのですが、見学させて頂くのは初めてでした。

齋彌酒造店さんは、1902年の創業で110年ちょっとと一般的にみると非常に
長い歴史がありますが、秋田県内では比較的若い創業の酒蔵です。
http://www.yukinobousha.jp/

建物は国の登録有形文化財に指定されている歴史を感じるものです。
中に入ると一番驚くのが、蔵の高低差が約6mもあることです。
敷地内で湧いている伏流水を仕込み水として用いており、一番高い
場所に米を持ち込んでそこから徐々に下に下るにしたがって酒に
なっていくという造りになっています。
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今回は仕込み終わったタンクを上から拝見させて頂く機会も得たのですが、
見て頂く通り、酒は生き物で発酵している様子がよくわかります。
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発酵タンクを見学させて頂きながら、酒造りにおいて、齋彌酒造店が
他の酒蔵と大きな違いが3つあるとお教え頂き、衝撃を受けました。

 1.櫂入れをしない
  ・普通は発酵を促進し、均一化するためにも発酵タンクで櫂入れを
   行うのですが、ここでは、最初の一回だけ櫂で混ぜた後は一切
   櫂入れをしないそうです。
 2.濾過をしない
  ・一般的には炭素濾過などを行って、酒を清浄化させるのですが、
   濾過は一切行わないとのことです。
 3.加水しない
  ・アルコール度の調整等を目的に加水することがほとんどですが、
   齋彌酒造店では発酵が完了した酒を搾ってそのまま出荷する
   そうです。

齋彌酒造店の当時である高橋藤一さんは稀代の名杜氏と言われている方で、
高橋杜氏も含め蔵人たちは春から夏にかけては日本酒用の米作りに精を出し、
収穫後には酒造りにいそしむという生活を送っているそうです。
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そのような高橋杜氏による上の3つのこだわりは、米、水、麹
が最大限の力を発揮できるよう手助けをすることで、米、水、麹が
はぐくまれた環境(ワインでいうテロワールでしょう)の味わいを
最大限に表現しようという考えなのだと思いました。

酒蔵を一見してすぐにわかることですが、とにかく隅々まで綺麗に掃除が
行き届いています。これは日本酒が醸される過程で米、水、麹以外が
余計なことを起さないよう、徹底的にゴミ、ホコリや雑菌を排除し、
日本酒造りの邪魔をさせないということに結びついています。
そのため、掃除には一切洗剤を用いず、毎日お湯で雑巾がけをしている
とのことでした。洗剤を用いると雑菌のみならず、蔵に住み着く酵母菌
も死滅してしまうからだそうです。

オーストリアワインでも見られる「ビオディナミ」の傾向と同じく、
この齋彌酒造店の酒もそのような哲学で仕込まれていることを知り、
私自身が選んでいる酒の共通性を感じた次第です。


当店で置かせて頂いている齋彌酒造店の日本酒は現在2種類あり、

・本荘 中取り純米吟醸

 こちらは当店に日本酒を各種納めて下さっている、由利本荘市の
 「村井商店」さんが齋彌酒造店で特別に醸してもらっているお酒で、
 一口飲んだ時から惚れ込みました。

 流行でもある辛口ではなく日本酒度では0~+1程度の中口なのですが、
 適度な酸味と爽やかな白い花のような香りとのバランスの良さで、
 口に含むとシャープです。ただ、飲んだ後の余韻が非常に長く、
 そこには円やかな米の旨味が残るという逸品です。
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・雪の茅舎 秘伝山廃 山廃純米吟醸

 齋彌酒造店を代表する銘柄の「雪の茅舎」の山廃です。
 山廃仕込みによる華やかな香りと酸味のバランスに、
 シルキーというか、きめ細やかで複雑な味わいも乗っています。
 インターナショナルワインチャレンジ(IWC)で金賞も受賞しています。
Yukinobosya hidenyamahai   IWC001.jpg


また、時折ですが、齋彌酒造店と高橋藤一杜氏を一躍有名にした
美酒の設計」も入荷することもあります。


是非、江戸前鮓と齋彌酒造店の純米酒との相性をお楽しみください。


鮓&ワインおーじ 
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