土曜ランチワイン会の様子(10~12月)

今日はクリスマスイブ、そして約1週間後には大晦日と師走も押し迫り、
まさに年の瀬という雰囲気です。

毎月ご好評を頂いている「土曜ランチワイン会」
10~12月の様子を少しお伝えしたいと思います。

◆ 10月25日(土)
 第37回 「理性と官能の共存 ドイツの世界」

この日はドイツワインの専門インポーターであるヘレンベルガー・ホーフの宮本駿氏を
お迎えしてドイツの世界を紹介頂きました。

ドイツワインは甘口とイメージされるかもしれませんが、素晴らしい辛口の泡、白、赤が
産出される国と世界では認識されており、シャープで理性的なスタイルと官能的で
優美なスタイルが共存するワインとしてポジションを築いています。

当日お出ししたワインはこちらです。
IMG_2280.jpg

左から
"Ratzenberger ラッツェンベルガー"
"Bacharacher Riesling Sekt Brut バッハラッハー リースリング ゼクト ブリュット"
2008

"Georg Breuer SC ゲオルグ・ブロイヤー"
" Juex Spatburgunder blanc de noir 「ジュー」 シュペートブルグンダー ブラン・ド・ノワール"
2010

"Storrlein & Krenig J.シュテアライン&クレニッヒ"
"Randersacker Sonnenstuhl Silvaner Tradition ランダースアッカー ゾンネンシュトゥール シルヴァーナー トラディション"
2012

"Bernhard Huber ベルンハルト・フーバー"
"Huber Spaetburgunder フーバー シュペートブルグンダー"
2010

日本ではドイツワインの総輸入量は年々減少傾向にありますが、
一方、世界的に評価の高い辛口の素晴らしいワインは増加傾向にあります。
この日はそのようなワインの代表格をお出しいたしました。

ラッツェンベルガーはライン川流域のミッテルライン地域の急峻な切り立った
畑でブドウ作りをしており、その素晴らしい土壌と気候が生み出すミネラル感と
綺麗な高い酸味がスパークリングにも十分表現されています。
サッカーのドイツ代表が必ず携行するワインです。

また、ゲオルグ・ブロイヤーは白も赤も非常に評価が高いワインですが、
この日はピノ・ノワールで作った白という特殊なワインをお出ししました。
黒ブドウのピノが持つ厚みのある味わいが白ワインにしても感じ取られ、
濃厚な旨味を持った白として新たなポジションを確立していました。

J.シュテアライン&クレニッヒのシルバーナーはまさにミネラルの塊です。
古代は海の底であったことが証明されるような貝殻の化石が出てくる
石灰岩質土壌で育ったこのシルバーナーは酸味はさることながら、
そのミネラルの味わいからくる旨味が非常に素晴らしいワインです。
白身魚を塩と柑橘で味わう握りとの相性が抜群でした。

〆はベルンハルト・フーバーのピノ・ノワールを召し上がって頂きました。
フーバーはドイツにおけるピノ・ノワールの大御所で、素晴らしい畑を数多く
有しており、単一畑のピノはブルゴーニュを凌駕する味わいです。
この日はスタンダードクラスのピノをお出ししましたが、赤系果実の風味に
若干の熟成感が出ており、加えて綺麗な酸味と長い余韻があり、
スタンダードクラスと思えない質の高さでした。

ご参加いただいたお客様も料理と江戸前とのドイツワインの相性の良さ、
ならびに、ワイン単体としても素晴らしいとのお声を頂き、
ドイツワインを再発見されたご様子でした。


◆ 11月22日(土)
 第38回 「オーストリアワイン大使による今注目のオーストリアワイン(その2)」

9月にご好評でした、オーストリアでの研修にて今注目のワインを披露する
2回目の会を行いました。2014年オーストリアワイン大使に任命された小生が、
8月末にオーストリアのワイン産地へ研修へ行った際、見て、聞いて、飲んで
学んだオーストリアワイン事情と今注目のワインをお出しいたしました。

当日お出ししたワインはこちらです。
IMG_0573-001.jpg

左から
"Weninger ヴェーニンガー"
"Welschriesling Saybritz ヴェルシュリースリング サイブリッツ"
2011

"Heinrich ハインリッヒ"
"Chardonnay Leithaberg DAC シャルドネ ライタベルグDAC"
2011

"ESTERHAZY エスターハージー"
"Leithaberg DAC Blaufrankisch ライタベルグDAC ブラウフレンキッシュ"
2011

"Wieninger ヴィーニンガー"
"Pinot Noir Select ピノ・ノワール セレクト"
2011

この日は2014年の新酒「ホイリゲ」が解禁された直後でしたので、
写真には映っていませんが、ツァーヘルのホイリゲで乾杯を行いました。

この会では8月末の研修で訪れた産地のライタベルグDAC、そして、
研修中に注目した品種として地場品種であるヴェルシュリースリング、
さらに、赤ワインの集中テイスティングでオーストリアの最高峰ピノ・ノワール
として紹介されたヴィーニンガーのピノ・ノワールをご紹介いたしました。

ヴェーニンガーは赤ワインの名手として名高いのですが、アイゼンベルグで
注目の産地サイブリッツでヴェルシュリースリングを少しだけ作っています。
一般的なヴェルシュリースリングは水っぽい感じのものが多いのですが、
これは味わいの密度が濃く、また、空気に触れさせていくとワインが成長する
様子で、酸味とミネラル感に加えて、蜜のような濃厚な味わいも見せていました。

ライタベルグDACからはアイゼンシュタットを代表する作り手のエスターハージー
の造るブラウフレンキッシュと、これまた赤ワインの名手であるハインリッヒが造る
シャルドネをお出ししました。ライタベルグDACの土壌は真っ白でまさに石灰岩質
土壌というのがよくわかります。この日お出しした赤と白に共通するのはやはり
その石灰のミネラル感。いずれも華やかで口に含むと広がるようなミネラルの
味わいが十分に感じられるものでした。品種によらず土壌の味わいをワインから
感じ取るという好例でした。

〆にお出ししたのはヴィーニンガーのピノ・ノワールです。
ヴィーニンガーはウィーンを代表する世界的なゲミシュターサッツ(混植混醸)の
ワインの作り手です。ホイリゲはもちろんのこと白ワインに定評があります。
そのヴィーニンガーが白ブドウを植える畑で少量だけピノ・ノワールを栽培しています。
ピノ・ノワールを植えているビザンベルグという畑は石灰岩の岩塊の上に砂岩、
黄土の表土があり、水はけがよく風通しもよく、また、高台にあって涼しいという
ピノに最適の土壌と地勢をもっています。味わいは赤系果実のピノらしい味わいに
軽い熟成感(マッシュルーム、アールグレイの紅茶、皮革など)が感じられ、余韻も
長くて非常に素晴らしい出来になっていました。現在のオーストリアはテロワールを
表現するべく、醸造テクニックなどを披露せず、ブドウの持つ味わいを引き出す赤ワイン
が中心となっているのですが、まさにその代表格という味わいでした。

オーストリア研修を通じて、オーストリア・ワイン・マーケティング協会が伝えたかった
最近のトレンドや注目する産地の背景をお客様にお伝えし、オーストリアのより深い
魅力を感じて頂く時間となりました。


◆ 12月20日(土)
 第39回 「スパークリング協奏曲 年末編」

毎度年末にご好評を頂いているスパークリングの会。
楽しい日が多くなる師走はますます飲んで頂く機会が増えるかと思います。
この日は今お勧めするスパークリングを取り揃えて飲み比べて頂きました。

当日お出ししたワインはこちらです。
IMG_2538.jpg

左から、
"Tarlant タルラン"
"Zero Brut Nature ゼロ ブリュット ナチュール"
NV

"Markus Huber マルクス・フーバー"
"Gruner Veltliner Berg Brut グリューナー・ヴェルトリーナー ベルグ ブリュット"
2012

"Andrea Arici アンドレア・アリチ"
"Franciacorta Dosaggio Zero Brut" フランチャコルタ ドッサージオ ゼロ ブリュット"
NV

"Slectionne par Marc Tempe セレクション パー マルク・テンペ"
"Cremant D'Alsace Brut Nature premiere クレマン・ダルザス ブリュット ナチュール プレミエーレ"
NV

この日は「スパークリングワインの甘辛とは」というテーマで会を進めました。

スパークリングワイン(とくに瓶内二次発酵方式)ではその製造法から、
3回にわたってショ糖を添加します。その中でも3回目のドサージュと言われる
工程がワインの甘辛を大きく左右しています。シャンパーニュなどの産地では
以前はドサージュで糖分を加えることが当たり前で、多少の残糖があるワイン
が多かったのですが、最近の流行はノンドサージュとかブリュットナチュールと
呼ばれるドサージュでショ糖を加えないタイプのものが多くなってきています。
今回はドサージュでショ糖を加えないノンドサージュタイプのスパークリングを
集め、1つだけドサージュを加えたものと比較して頂きました。

最初の飲んで頂いたのはアルザスのマルク・テンペが作るクレマンです。
フランスの泡物というとシャンパーニュをすぐに思い浮かべるかと思いますが、
各地でクレマンというスパークリングワインを作っています。マルク・テンペは
アルザスを代表するビオディナミの作り手で、白ワインを得意としていますが、
クレマンも醸造しています。このワインは瓶内熟成を36ヶ月も経ているためか
熟成感にも似た複雑味と、非常に硬質なミネラル感が前面に出ているワインで、
クレマンとしては非常にレベルの高い出来となっていました。

2番目はイタリアのロンバルディア州で作られているイタリア最高峰の
瓶内二次発酵ワインであるフランチャコルタをお出ししました。
フランチャコルタを指名してお飲みになる方は非常に少ないと思いますが、
イタリアを代表する瓶内二次発酵ワインを皆様に知って頂きたく、お出ししました。
アンドレア・アリチはDOCGフランチャコルタ地区でも東側に位置する標高が
200~500mの高い位置に畑を有する生産者です。また、土壌は粘土石灰を
中心としたミネラル分の多いところで、ワインにもその華やかなミネラル感、
また、ブドウが持つシトラス系の果実香味がストレートに感じられ、とても
バランスの良いワインとなっていました。これは、鰤などの脂ののった白身魚の
焼き物との相性が絶品でした。

3番目はノンドサージュとの比較のためにお出しした、ドサージュ添加のワイン
として、オーストリアのトライゼンタールDACを代表する作り手であるマルクス・
フーバーのスパークリングをお出ししました。マルクス・フーバーは若手醸造家
ながら、オーストリアを代表する作り手で世界的に評価の高いワイナリーです。
彼は白ワインを得意としていますが、スパークリングも一部造っており、これは
彼の持つ最高峰の畑の一つであるベルグで採れたグリューナー・ヴェルトリーナー
を使ったものです。味わいはシトラスと白コショウのような風味に、ミネラル感と
高い酸味があります。ノンドサージュとすると非常にシャープで鋭利なワインと
なりがちなところをドサージュに少量のショ糖(6.6g/L)を加えることで、少量の
残糖(5.0g/L)を残すことで全体のバランスを整え、食事に寄り添うワイン造りを
目指していることがよくわかりました。ノンドサージュと比べると確かに甘みを
感じますが、バランスがすばらしく、ワインとしての出来は超一級でした。

そして、〆にはシャンパーニュからタルランのノンドサージュをお出ししました。
タルランはレコルタン・マニピュランとして家族経営で自家畑のブドウからワイン
造りをする伝統ある作り手です。現在の当主は12代目で17世紀の初期から
シャンパーニュ造りをしています。ここは伝統的にリザーブワインを使う比率が
高く、また、オーク樽で発酵と熟成を行うことから、風味が芳醇で、重厚感のある
味わいが特徴です。他の3種と比べると異質ですが、シャンパーニュ地方は
ブドウの生育できる限界(北緯50°と言われている)に最も近い場所に位置する
ため、酸味の高さはずば抜けていました。それを補う熟成感と樽発酵の風味が
バランスを整えており、非常に高いレベルでのバランスの良さは超一級でした。
ただ、あまりにも味わいが尖っているため、通常の江戸前では食事の味わい
に寄り添うことが難しいため、この日は大トロを炙ったものにトリュフ塩を乗せる
という握りと合わせて頂きました。

シャンパーニュ以外にも素晴らしい泡の数々があることを発見して頂いたと
お客様からうれしいお声を頂くことができた会となりました。


今年も10回を超える土曜ランチワイン会に多数のお客さまにご参加いただき、
心より御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
来年も1月より開催してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

なお、1月以降のスケジュールとテーマは別途ブログ、メルマガ、Facebook、店頭
にて告知させて頂きます。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。


&ワインおーじ
スポンサーサイト

テーマ : ワイン - ジャンル : グルメ

Tag : ワイン 寿司 銀座 壮石 すし 懐石料理

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)