土曜ワイン会(5~7月)の様子

8月後半ですがまだまだ暑さが厳しく、当店でもスパークリングや
白ワインを召し上がるお客様が多くいらっしゃいます。

さて、ブログアップが少々遅くなりましたが、
土曜のワイン会の最近の様子(5~7月)をお伝えしたいと思います。


第22回目でした5月の会(5月25日)は
「アルザスワインを探求しよう」と題して開催いたしました。

フランスのアルザス地方のワインは、世界的に流布しており、とても有名な
銘醸地ではありますが、お客様にお伺いすると飲んだことがあるかも知れない
というお答えが多く聞かれます。ですが、アルザスフルートと言われる
特徴的な瓶をお見せすると、「ああ、このワイン」とすぐに認識して頂けます。

アルザス地方は歴史的に数奇な運命をたどった地域で、現在はフランスで
ありますが、ドイツ領に属していたこともあり、ドイツワインの影響も
色濃く残しているワインです。

お客様から「アルザスを是非取り上げてほしい」というお声が上がりました
ことから、今回、アルザスワインを探求することと致しました。

この日ご用意したワインは次の5種類です。

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左から、
1. ドップ・エ・イリオン クレマン・ダルザス ブリュット NV(アルザス地方
リグヴィール村)
2.
マルセル・ダイス アルザス ブラン 2011(アルザス地方
ベルグハイム村)
3.
F.E.トリンバック ミュスカ リゼルブ 2010(アルザス地方
リボーヴィレ村)
4.
ツィント・フンブレヒト ピノ・グリ ヴィンツェンハイム ローテンベルグ 2010(アルザス地方
ヴィンツェンハイム村)
5. ドメーヌ・ヴァインバック ピノ・ノワール リゼルブ 2008(アルザス地方
キエンツハイム村)


アルザスは気候も冷涼な地域のため、基本的に酸味がしっかりとあり、
また醸造においても、ステンレスタンク、古い木樽発酵を行うなどして、
ブドウ品種の個性を引き出し、ブドウ本来の味を楽しみ素材感を大切にするため、
和食に相性のよいワインが多くあります。

最初にお出ししたドップ・エ・イリオンのクレマン・ダルザスは
ピノ・ブラン、オーセロワ、リースリングなどを用いたワインで、
ブドウ本来のフレッシュな味わいを大切にしながらも、瓶内二次発酵
による繊細でクリーミーな泡が特徴です。突き出しや八寸などを
引き立てるできばえです。

マルセル・ダイスはアルザスにテロワールの概念を最初に取り入れた
作り手で、土壌により決まるブドウの味わいをワインに表現するという
考えで、テロワールを大切にしてワイン造りをしています。
今回お出ししたのは最もリーズナブルなアルザス・ブランで、ピノ・ブラン、
リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、
ミュスカ、シルヴァネールと、アルザスを代表する品種がすべてブレンド
されている伝統的なワインです。
しかし、このコストパフォーマンスは素晴らしく、他のドメーヌが出す
グランクリュにも引けを取らない味わいで、素晴らしいミネラルと、
うま味が凝縮した苦味もあり、余韻も素晴らしいものでした。

旬の野菜の炊き合わせはもちろんですが、多少癖のある鮎などの川魚の
焼物のなどとも喧嘩せず、うまく引き立てる味わいとなっておりました。

3番目にお出ししたトリンバックの作るミュスカもお客様にとても好評を
頂きました。香り高いミュスカの香りと、酸味でシャープな味わいであり
ながらもとげとげしておらず、全体的に調和のとれた味わいは和食全般に
合うというご意見でした。

そして、ツィント・フンブレヒトのピノ・グリは皆さんが絶賛味わいでした。
テロワールと品種の個性を大切にし、最大限その味わいを引き出すために
ビオディナミを実践しているフンブレヒトは、素晴らしいワインを
数多く造っており、アルザスを代表するリースリングなど枚挙にいとまが
ありません。今回はその中でもあえて、ピノ・グリをお出ししました。
今回はヴィンツェンハイム村のローテンベルグの単一畑で造られたものです。

熟成感が素晴らしく、余韻も長く、現時点で飲むには惜しい逸品で、
5~10年はセラーで保存してから飲む方がよりこのワインの素晴らしさを
感じて頂けるものと思いました。

最後にマグロのヅケなどに合わせて、ヴァインバックのピノをお出ししました。
ヴァインバックのピノはエレガントにできており、鮪のヅケはもちろんの
こと、他の和食とも相性がよさそうでした。

アルザスの根強い人気と和食との相性を再認識した会となりました。
ぜひ、またアルザスを取り上げてみたいと思います。


次に、第23回目となった6月の会(6月22日)は、
「オーストリア、ドイツの実力」という企画で行いました。

オーストリアワインは当店でも力を入れており、ワインリストの80%以上を
オーストリアワインで占めておりますので、オーストリアの美味しさを知って
頂きたいと思いました。
また、ドイツワインも以前は甘さが際立つワインでしたが、最近は和食に合う
辛口の素晴らしいものが生み出されています。

お出ししたワインは次の6種類でした。

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左から
1. ラッツェンベルガー バハラッヒャー リースリング ゼクト ブリュット NV(ドイツ ミッテルライン地方)
2. J.シュテアライン&
クレニッヒ ランダースアッカー ゾンネンシュトゥール
シルヴァーナー トラディション 2011(ドイツ フランケン地方)
3. ルーディー・ピヒラー グリューナーヴェルトリーナー スマラクト
コルミュッツ 2011(オーストリア 低地オーストリア地方
ヴァッハウ地区)
4. フリードリッヒ・ベッカー シュペートブルグンダー カルクゲシュタイン 2009(ドイツ ファルツ地域
シュヴァイゲン)
5. モリッツ モリッツ ブラウフレンキッシュ 2007(オーストリア ブルゲンランド地方
ミッテルブルゲンランド地区)
6. エスターハージー ベーレンアウスレーゼ クラシック 2009(オーストリア ブルゲンラント地方
ノイジードラゼー・ヒューゲルランド地区)


いずれも素晴らしいワインでお客様にお気に入り頂いたのですが、
オーストリアでは3番目にお出ししたルーディー・ピヒラーのグリューナーヴェルトリナー、
5番目にお出ししたモリッツのブラウフレンキッシュが人気が高かったようです。
また、ドイツでは、2番目にお出ししたシルヴァーナーと、4番目にお出しした
フリードリッヒ・ベッカーのピノ・ノワールが高い人気でした。

オーストリアのルーディー・ピヒラーは銘醸地ヴァッハウを代表する作り手で、
とても厳格な作り手です。テロワールを大切にし、その味わいをストレートに
表現できるよう、ワイン造りも徹底的に気を使って、清浄なワイン造りをして
います。収穫したブドウの中に一部でも貴腐化したようなブドウがあれば
徹底的に取り除き、正常なブドウのみを使うという徹底ぶりです。貴腐化した
ブドウもワインの味わいとして含める作り手もいるのですが、そのような考え
とは一線を画した、ルーディーらしいワイン哲学です。

また、ドイツのフリードリッヒ・ベッカーはドイツのトップワイナリーの1つで、
世界一エレガントなワインを造ることを目標に掲げています。特にピノ・ノワール
は注目されており、所有している畑がフランスとの国境であることからも、
ブルゴーニュ的な雰囲気がとても感じられるワインです。
ピノらしい赤系果実の味わいを軸としながら、熟成香の獣の香りやマッシュルーム
の香りなども多少出ており、まだまだ熟成できるワインです。
鰆などの魚を使った幽庵焼などととても相性のよい味わいでした。

オーストリア、ドイツはなかなかご自分で選ばれることが少ないかと思いますが、
これを機会に購入してみたいというお客様がいらっしゃったのは、大変に嬉しい
ことでした。


第24回目となった7月の会(7月13日)は、
「リースリングに見る産地の違い」
を行いました。

リースリングは当店でも人気のある品種で、世界的に著名な銘醸地による
飲み比べを行ってみました。

お出ししたワインは次の4種類でした。

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左から
1. シュロス・ゴベルスベルク ゴベルスブルガー リースリング ウルゲンシュタイン 2010(オーストリア 低地オーストリア地方
カンプタール地区)
2. ヘンシュケ ジュリアス イーデン・ヴァレー リースリング 2011(オーストラリア 南オーストラリア州
イーデン・ヴァレー地区)
3. ノーマン・ハーディー リースリング 2010(カナダ オンタリオ州(VQAオンタリオ)
プリンスエドワード・カウンティ)
4. ヒューゲル リースリング ジュビリー 2007(フランス アルザス地方
リクヴィール村)


1,4は伝統国(ヨーロッパ)、2,3は新興国からお出ししました。
一般的に伝統国は料理を引き立てるワインで、新興国はワイン単品で
十分に楽しめるという作り方がされているといわれています。

この会では本当にそうなのか、また、産地のテロワールによる味わいの
違いを掘り下げてみました。

結論としては、伝統国の代表としてお出しした、オーストリアの
シュロス・ゴベルスブルクと、フランスのアルザスは滋味があり、
味の複雑さが際立っていました。しかし、料理の味を邪魔すること
なく、引き立てるという、やはり伝統国らしい味わいでした。
新興国もテロワールを大切にし、料理を引き立てるワイン造りの
方向に向いてきていることを認識できました。

1は当店でもオンリストしているワインで、お客様にも人気の高いもので、
杏や桃のような香りを放ちながらも、酸味があり、全体としてバランスが
とてもよい、非常に高いレベルの味わいです。
4のヒューゲル ジュビリーは良い年にしか作らず、良いブドウを
選果して醸造するという特別なワインであるため、複雑さは群を抜いていました。
高い酸味を持ちながらも蜂蜜やナッツのような味わいも出ており、
熟成がまだまだ楽しみなワインでした。

また、新興国は3番目にお出ししたカナダ オンタリオ州の
ノーマン・ハーディが作るリースリングがエレガントで、
新興国にありながらも伝統国のような料理の味わいを引き立てる
ワインとなっておりました。
ノーマン・ハーディはカナダを代表するトップワイナリーで、
シャルドネが世界的に大変注目されています。テロワールを大切にする
作り手で、カナダの冷涼な気候を生かして素晴らしいワインを数多く
作り出しております。このリースリングも良くできたワインとなって
おりました。飲み進むと料理と寄り添う感じがわかりますが、
最初の香りは新興国らしいリースリング特有のペトロール香が多少強く
感じられます。

2番目にお出ししたオーストラリアのヘンチキが作るリースリングは
個人的に大好きなワインです。南オーストラリアのイーデン・ヴァレーは
標高も高く、オーストラリアにありながら冷涼な気候です。無論、日中は
日照が良いため、日中と夜の寒暖差が激しいのがブドウ育成に最高の土地
となっています。その寒暖差が生み出す、酸味とボリュームが唯一無二。
なかなか和食とは難しいのですが、オーストラリアのリースリングを
代表する味わいとしてお出ししました。


今後のワイン会の予定ですが、下記となっております。

http://www.nishitani-sushi.com/winelunch.html

今月(8月)は31日(土)の夜に、世界の素晴らしい
スパークリングを寄せ集めて、シャンパーニュと対戦させます。
名付けて、
「シャンパーニュvs.世界のスパークリング 銀座決戦」
を行います。

また、10月12日(土)のランチタイム
「畑の違いを味わう」
として、同じ地域の畑違いのワインをお出しして、畑によってどれほど
味わいが異なるかを比較してみたいと思います。
おもに、ブルゴーニュのワインをお出しして試そうと考えております。

これからも楽しく、美味しい企画を行っていきますので、
ぜひ、お気軽にご参加くださいませ。


鮓&ワインおーじ
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テーマ : ワイン - ジャンル : グルメ

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