11月の土曜ランチワイン会の様子

アップが遅くなってしまいましたが、11月に行った
壮石恒例の毎月土曜ランチワイン会の様子を報告したいと思います。

11月は「いま再びのブルゴーニュへ」という特別企画で行いました。
フランスワインの故郷であるブルゴーニュ地方は11月第3週目に
「栄光の3日間」というワインのお祭りが行われます。

コート・ド・ボーヌにある「オスピス・ド・ボーヌ」という由緒正しい
修道院が、所有する畑で作るその年のワインをオークションするという
のがメインイベントです。
修道院がブドウ畑を所有すると聞くと疑問に思われるかもしれませんが、
有力者から寄進された畑であり、その畑で作ったワインをオークション
にかけて、得た資金を恵まれない方々や、併設する病院の維持費に使って
います。つまり、このオークションはキリスト教に根付くボランティア
精神の表れです。

このメインイベントを中心にして、3日間のブルゴーニュワインの
お祭りが、ボーヌの街で繰り広げられます。

今回、大変光栄なことにこのオークションに参加させて頂ける運びとなり、
お祭りのレポートと、現地で厳選したワインと共にワイン会を行いました。
(ブルゴーニュレポートはまた次回ブログにしたいと思います。)

今回お出ししたワインはこちら。

左より、
アンリ・ダルナ ムルソー クロ・デュ・ドメーヌ 2010
オスピス・ド・ボーヌ ピュイィ・フュイッセ 2006
フィリップ・パカレ ボジョレー・ヴァン・ド・プリムール 2012
ヴァンサン・ジャニアール モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ ル・ヴィラージュ モノポール 2008

11月


ブルゴーニュ各村の特徴を知って頂こうとの考えで、こちらを飲み比べて
頂きました。

まず、アンリ・ダルナですが、1850年からムルソー村でワインを作る
名門で、2000年から現在の当主、アンリ・ダルナが引き継ぎました。
完璧主義者の彼は求道的なワインの造り手で、非常にテロワールに
忠実にワイン造りを行います。
ムルソーと聞くと、ワインを結構飲まれている方は、バターのような
風味でボリュームのあるワインを想像しがちですが、ムルソー村も
ブルゴーニュの中で例外なく石灰土壌があり、ミネラル豊富な土地柄。
ムルソーも本来はピュアなミネラル感が表現されるべきであると考え、
新樽もほとんど使わず、樽熟成期間も短くすると言う、従来のムルソー
の作り方とは180度異なるワイン造りを行っています。

今回のクロ・デュ・ドメーヌは所有する5カ所の畑で取れたブドウで
作られたワインです。アンリ・ダルナの考え方をストレートに表現し
た味わいとなっていて、金属的なミネラル感と綺麗な酸味が軸となり、
柑橘系の爽やかな味わいが非常に印象的な素晴らしいワインでした。
ヒラメなどの淡泊な白身魚、レモンと塩で食す墨イカの握りなどと
相性がよかったです。

今までのバターや樽香の効いていたワインはなんだったのだろうか?
と考える1本でした。


同時に、ブルゴーニュから持ってきたオスピス・ド・ボーヌの
ピュイィ・フュッセを比較して頂きました。
こちらは対照的に成熟した種のある果実(杏、マンゴー、黄桃など)、
爽やかなシトラスと、熟成したバターの様な風味も合わさった、
非常にボリュームのあるワインとなっていました。

ピュイィ・フュッセはご存じの方が少ないかもしれませんが、
ブルゴーニュ地区の南端に位置する村です。緯度が下がる分、
他のブルゴーニュの村と比べて温度も高めで、日照もある程度あり、
比較的ブドウが成熟する地域となっています。よって、ワインも
成熟したフルーツの香りが特徴的になります。もちろんブルゴーニュ
ですから、特有のミネラル感と酸の高さはしっかりと出ていました。

オスピス・ド・ボーヌのオークションは、その年のワインの最初の
オークションであり、高値で取引されることが多くなっています。
中でも銘醸畑のものや、有名な村のものは非常に高値ですが、その
中でピュイィ・フュッセはマイナーな村のため、比較的手頃な値段
で(それでも十分高価ですが)取引されるため、人気のあるワイン
です。今年のオークションでも人気のワインで、2012年ものを事前
試飲した際に、とても気に入ったので、今回、2006年ヴィンテージ
を携えてお出ししました。

鮓には厳しいかもしれませんが、「煮穴子の蓮蒸し銀餡のせ」など、
味わいのしっかりとした料理にほどよく合うワインでした。


続いて、赤ワインを楽しんで頂きました。

最初は、ブルゴーニュの名手に数えられるフィリップ・パカレの作る
ボジョレー・ヌーボーを楽しんで頂きました。昨年は11/15が解禁日
で、その直後ということもあり、お出ししました。

ボジョレー・ヌーボーはお好きな方と、あまり好みでない方が分かれ
ますが、パカレの作るボジョレーを飲んでみますと、「ボジョレーは
こんな味だっただろうか?」と感じます。

一般的なボジョレー・ヌーボーは、早飲みをするためにタンニン
(渋み成分)と色を早く抽出しようと、カルボニック・マセラシオン
(炭酸ガス抽出法)という方法で、半ば強制的に醸造しています。
これを強く行うとヌーボーにありがちな、甘っぽい感じに渋みが味に
重なり、イチゴジャムの強いような香りと、動物系とスパイシーな
香りが立ち上ります。ヌーボーがお好きでない方はこの味わいが
受け付けられないようです。

しかし、パカレの作るヌーボーは全く違います。
繊細なチェリーやイチゴにスミレのような香りがあり、口に含むと
柔らかなタンニンに梅干しや赤系ベリーの味わいが広がり、嫌味な
味わいが全くありません。余韻もある程度あり、非常にエレガント
な造りです。ボジョレーってブルゴーニュなの?と思われるかも
しれませんが、歴としたブルゴーニュ地方のワインです。こちらも
ほぼ南端に位置する村です。パカレのヌーボーを飲んでみると、
ガメイというブドウでありながら、ピノ・ノワールを思わせる味わい
を感じます。これはブルゴーニュらしさなのだと思われます。

明石の蛸を甘辛く煮付けた「蛸の桜煮」の握りや、赤身のヅケの鮓
を引き立てる素晴らしいワインでした。

そして、最後にブルゴーニュのピノで、モレ・サン・ドニ村のもの
を楽しんで頂きました。

ヴァンサン・ジャニアールが単独所有する(モノポールと言います)
「ル・ヴィラージュ」の畑のワインです。
モレ・サン・ドニ村は非常に面白い土地柄で、男性的なジュヴレイ・
シャンベルタン村と、かたや女性的なシャンボール・ミュジニー村
に挟まれた村で、両方の特徴が混じり合った地域だと言われています。

この「ル・ヴィラージュ」の畑はまさにその特徴を表しており、
ジュヴレイのようなしっかりした構造と、シャンボールのような
エレガントさを合わせ持つワインになっていました。
非常に難しい年であった2008年というヴィンテージも影響してか、
エレガントさをもちつつ、熟成感も感じられる味わいでした。

香りはシャンボールより強く出ており、チェリーやブラックベリー、
マッシュルームや動物香が出ていました。味わうと、赤系ベリーの
味わいを中心に、シナモンや甘草の味わいも表現されており、繊細
でありながらもしっかりした味わいを表現していました。

このぐらいしっかりした味わいとなると、中トロや煮穴子などの
味わいのしっかりした握り鮓とベストマッチでした。


11月の会ではブルゴーニュの栄光の3日間を中心としながら、
ブルゴーニュのテロワールを感じ取る機会となりました。

次のブログで、12月の報告をしたいと思います。


鮓&ワインおーじ
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テーマ : ワイン - ジャンル : グルメ

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