5月26日 土曜ランチワイン会「ワインと鮓のいろは」を行いました

先週土曜日に毎度ご好評を頂いております
「ワインと鮓のいろは」
の12回目を行いました。

今回は「年による味の違い」ということで、ワインに書かれている
年(ヴィンテージ)が味に及ぼす違いを飲み比べました。

年の違いを飲み比べることで感じていただきたかったのは、その年
の天候
がワインにどのように反映されるかというコンセプトでした。

天候が味わいによく反映されるのはテロワール(ブドウ種類、国、
土壌、気候、天候、歴史、作り手の哲学など)を大切にするワイン
ということになります。テロワールを大切にするワイン造りで最も
有名な土地はフランスのブルゴーニュですので、今回はブルゴーニュ
の赤ワインをお出ししました。

今回は、ブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネで著名かつ、大変優良な
作り手とされている「ドメーヌ・ミッシェル・グロ」を選びました。

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ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ 2007、2008、2009


ブルゴーニュの「オート・コート・ド・ニュイ」という地方は
ブルゴーニュの中でも赤ワインの銘醸地とされる「コート・ド・ニュイ」
の地区の西側にあり、コート・ド・ニュイよりも標高が高い場所です。

ブルゴーニュの赤ワインの中でも世界のワイン好きが求める場所は、
ヴォーヌ・ロマネ村、ジュヴレイ・シャンベルタン村、シャンボール
・ミュジニー村などコート・ド・ニュイの有名村になります。
必然的にワインのレベルも高いのですが、その分、価格も大変高騰
しております。

オート・コート・ド・ニュイはそこまで注目の的ではありませんが、
実は、名手にかかると非常にコストパフォーマンスの良い美味しい
ワインを生み出す土地としてブルゴーニュでは注目されています。

フランスの全てのブドウ畑は1885年から1900年の間にフィロキセラ
(ブドウ根アブラムシ)によって全滅し、その後復興されていった
のですが、オート・コートの土地はしばらく見捨てられていました。
これをミッシェル・グロ氏の父でブルゴーニュワインの名手ジャン
・グロが中心になって1970年代にブドウ作りを復興させたのです。
よって、ミッシェル・グロはオート・コート・ド・ニュイで良質な
赤ワインを生み出しています。


2007~09年のブルゴーニュの天候を振り返りますと、下記のように言われています。

 2007年は春先に記録的な暑さで、開花が早く収穫も早かった年だ
ったそうです。夏は悪天候でしたが、収穫が早かった分影響は限定的
で、作り手も健康な実が出来るように手を加えたため、完熟した果実
が収穫できた年だったとのことです。


 2008年はブルゴーニュにとって難しい年と位置づけられています。
雨が多く病害が発生しやすい年だったそうですが、秋は北風が吹き
続け、乾燥した秋のお陰で水分もかなり蒸発したとのこと。ただ、
作り手の腕が試される年だったとのことでした。


 2009年は2008年と対照的にブルゴーニュでとても偉大な年とされて
います。全体的に暑い年でブドウの生育が早い年だったとのことです。
収穫まで最高の天気を維持し、素晴らしい収穫が出来た年となってい
ます。


この天候をイメージしていただきながらお客様に2007~09を飲み
比べて頂きました。

2007年は出来てからすでに5年経ていますので、それなりに熟成が
進んでいる様子です。天候が暑かった事から、味わいも凝縮されて
おり、黒い果実(ブラックチェリーやカシスなど)に、なめし革の
香りなど熟成した味わいを感じることが出来ました。


一方、2008年は対照的にエレガントな味わいが全体に感じます。
酸味は高く、タンニン(渋み)は少なく、チャーミングなさくらんぼ
や苺の風味が感じられるワインでした。


そして、2009年は一番味わいが深く、飲み終えた後の余韻も長いのが
特徴的でした。ブラックチェリーのような黒い果実の味わいに、甘草
などの甘苦系のハーブの感じもありました。


2008年がエレガントな味わいになっているのは雨が多かった天候が
反映されています。雨が多く、日照が少ないとブドウは完熟せず、
水分が多くなります。その分、ワインは熟成感より淡さとエレガントさ
が強調されます。
一方、暑い年の場合はブドウが完熟するので、果実味が強くなり、
味わいも黒い果実の系統が強くなります。
2007年と2009年はこのような味わいですが、大きな違いは余韻の長さ
でした。2009年は終始天候がよかったので2007年よりもより実が熟し
ていて、余韻の長さにつながっていると思われます。

お客様には年を隠して飲み比べていただいたのですが、味わいの違い
についてコメントをお聞きすると同じようなお声が聞かれ、違いを
感じていただけました。また、天候の特徴に当てはめて年も多くの
皆様に当てていただけました。

ワイン単独でのお好みをお聞きすると2009年の味わいの強さと深さに
人気が集まった様子でした。

これらのワインに合わせ、お料理は
「鱧の湯引き梅肉添え」、「豚とアスパラの塩胡椒焼き」そして、
鮓の盛り合わせをお出ししました。

梅肉はエレガントなピノに、豚は力強いピノに合うお料理です。
そして、鮓は中トロや穴子から脂の乗っている鯵などと合わせて
各年代ごとにどれが合うかを楽しんでいただきました。

料理とワインの相性をお聞きすると圧倒的に2007年、2008年を
推すお声となりました。これは料理の味わいを引き立てるという
意味で、控えめな味わいのものが選ばれたようです。

ワインの「偉大な年」、「グレート・ヴィンテージ」と言われる年
のワインをお楽しみ頂くのも一つの楽しみですが、今回感じていた
だけたように、年毎の天候の違いを楽しんだり、料理に合わせた
ヴィンテージを選ぶというのもワインの楽しみの一つかと思います。


さて、次回は6月16日(土)に予定しております。

鮓とワインの1by1マッチ

http://nishitani-sushi.com/winelunch.html

という挑戦的な試みを予定しております。

旬のネタ4,5種類に1品ずつワインを合わせていただいたあと、
他のネタもお楽しみいただきながらベストマッチを探していこう
と思います。


大変面白い企画ですので、ぜひご参加いただければと思います。


鮓&ワインおーじ
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テーマ : ワイン - ジャンル : グルメ

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